「森人MORIGIN」 BS日テレ

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平成23年11月、馬路村にて。


昨日、BS日テレの「森人MORIGIN」という番組を見た。
とても素晴らしい番組だった。
この番組のリンクにあるディレクターズ日記を読んで、この番組にさらに興味がわいた。

特集されていたのは、高知県の馬路村という小さな村。
馬路村は天然杉に恵まれ、古くは林業で栄えたが、杉の伐採の過熱と木材の値下がりにより林業が衰退、現在は柚子の特産品で有名だ。

テレビをつけると、森人(番組中で森を案内する)として出てきたのは、清岡さんだった。
というか、清岡さんから夫に電話があって、今テレビつけろ!と言われてつけた。

馬路からさらに30分車で北へ進むと魚梁瀬(やなせ)という地区があり、そこからまたさらに30分進んだ奥に「千本山」とよばれる天然杉の杉林がある。
そこを案内する清岡さんは、もちろん山歩きの格好をしているのだけど、山に対する畏怖というか、大きなものに飲み込まれる側のけじめみたいなオーラをばんばん出していて、山を歩く姿がものすごく真剣で、丁寧だった。なんとなく自然を見ながら歩いているという感じが全くない。
ちいさな自然のトリック(ほんとは全然ちいさくないんだけど)に足を止めては、なにか確認するような感じで、頷いたり、溜息を漏らしたり、感激していた。
動物や、植物など、いつもそこに暮らす生命にたいして、遠慮しながら森を歩く姿に、自然と生きることをこうしてわきまえているんだなあ、謙虚になるものなんだなあと思った。

「樹齢何百年という木を、かつての人は機械も使わずに切っていた。自然と格闘してきた先人たちがいる。わたしは村の案内人として、“ここに千年前から生きている木がありますよ”と言うだけではなくて、ここで生きる人の暮らしを伝えてこそ、この村の歴史を残すと言えると思う。

100年後の村・・・難しい問題がたくさんあると思う。でも、わたしよりあとの世代が、また住み続けているだろうから、その人たちのために、素晴らしい部分に、さらに磨きをかけた状態で渡していきたい。そして、ここを気に入って住んでくれる人がいればとても嬉しい。」

そういうようなことを清岡さんがおっしゃっていた。
胸にずしんときた。
わたしは、広島で生まれて、少し東京に住んで、今高知で暮らしているけれど、そのいずれの場所も、好きなところや自慢できるところはたくさんあっても、誇りを持って、次の世代のために残していこう、と思ったことは一度もない。
住んでいる場所のためになにかしようと思ったことがないのだ。
代々続く家や土地に暮らしたこともないので、そういった感情が持てないということもあるし、その土地がもたらす(一次産業)仕事に就いたこともないし、現代、人は自由に住む場所を選べるので、土地に対する感謝の気持ちははっきり言って薄かった。

でも、高知に来てから、というか、本当に最近になって、ようやく少しだけ考え方が変わったような気がする。
食べ物がおいしいなー!ってただ思っていると、不思議とそこから、強引に、土地の力をなめてはいけないという気持ちにさせられる。
太陽があって、山があって、海があって、そういう自然を守ろうというような平べったいことじゃなく、この風景の中に、日本人は二千年暮らし続けてきたわけで、人ひとりの人生なんて長くたって100年そこそこなのに、自分の場所が、なんて偉そうに言っちゃいけないよなって、自分の肌に浮き出してくるみたいに、生々しく思われるのだ。

みんなの場所だし、これからも誰かの場所であり続けるし、何かを生み出す土地、その力を今、借りているだけ。
自分が生きるために、食べるために、土地の力を借りているんだと思うと、この大地の恵みにはもちろん(なんたって、食べ物が育つんだよ!)、こうしてこの場所を残してくれた先人たちにも、感謝したくなる。

そして、これをだれがまた受け継いで行くんだ、って思ったら、やっぱりもう、わたしたちが考えないといけない世代になってるんだよね。
受け取ってばかりだった時代を過ぎたんだなーと思う。残すことを考える。
当然、いろんな場所でいろんなものが必要とされているので、それぞれが残すものは、別に自然や土地に限ったことではなく、自分が世話になったものを大事にしていくということ。
わたしは縁あって、今はこの高知に住むことになって、さらに食いしん坊だし、この土地の力にたくさん甘えたいと思う。
その恩を、自分なりにどうやって返して行こうかと考え始めたところです。

ところで、その清岡さんのこと。
清岡さんは、夫が生き方に迷ったときや、くじけそうになっているときに叱咤激励してくださった方だ。
「君にしかない道を行け」という清岡さんの言葉に、夫は(そしてそれを聞いたわたし自身も)いつも強く背中を押されてきた。
昨年、そのお礼もかねて、清岡さんのお家の柚子の収穫をお手伝いさせていただいた。
トップの写真は、その時の写真です。

お家の裏山(すごい急斜面!)が柚子畑になっていて、ずっと上がって行くと、こんなに素晴らしい景色が広がる。
昨日のテレビの中でも、清岡さんのお気に入りスポットとしてここからの風景が紹介されていたので、きっと本当に自慢の村の眺めなんだと思う。

柚子の収穫は本当に大変で・・・。
今年もお手伝いをしたいと思うけど、もっと大人数で行かせてもらわないといけないかなー。
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by azdrum | 2012-02-06 17:23 | ひとびと | Trackback | Comments(0)
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