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mercy!mercy!mercy!



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そうだった、わたしはもう13じゃないんだよ。
19でも、21でも、25でも29でもないから、もう友達の家でこっそりフルーツカクテルを飲むこともないし、カウンター越しにハンバーガーの長い名前をオーダーするのも緊張しないし、ディカプリオはやっぱり嫌いじゃないし、って公園でデートする時そう言ったりしないし、くるりの「東京」の出だしが流れただけで取り乱したりしないし、スニーカーは今1足も持ってない。
いろんなことから抜け出せたのか、あるいは抜き差しならなくなってきたのか、とても似ているせいで見分けがつかない。
34になった今も、出かける時に「帽子持った?」と聞かれることは変わらないしさ。
(そしてたいていの場合、帽子なんて持たないことも)

ひとつ歳をとったすぐ後にいつも愛する夏は去ってしまうから、悲しいほどのsummer victimであるわたしは、9月なんて!と目にうつるものをことごとく受け入れがたく、病に冒された卑屈な老馬のように未来を拒み、多くの過去を夢に見る。

しかし、季節が変わったところで、抱えているものは尽きることはないし、バースデープレゼントに届いたチョコレートアイスクリームだって最高に美味しいままで冷凍保存ができる。
会えなくなった愛しい人々を想って泣いたとしても、生きているものたちの波動に急き立てられるみたくひとり歩いてたどり着いたコーヒーショップでは新しい本に出会い、店のスピーカーからは一番好きな曲が流れてくることもあるのだ。
13のころにはこんな贈り物をしてくれた素晴らしい友人はもちろん、自分のフリーザーもなかったし、ろくにコーヒーだって飲めなかった。
わたしの13はどこかで完全に終わったが、それでも繰り返し夏を見送り、結局こうしてささやかな祝福のもとで、それらの意味を知りながら生きていくしかないのだろう。

知り合いのサマー・ハンターは、秋が始まると南の地へ移住する。
いつかわたしもリアル・サマー・ハンターになりたい。

写真:今年もきゅうりを大量に食べた。浅漬けとかピクルスとかガスパチョもいっぱい作った。
春のカリフラワーとかヤングコーンもいいけど、夏のきゅうりとオクラもやっぱり好きじゃー。
by azdrum | 2009-09-17 18:53 | 暮らし | Trackback | Comments(2)
Commented by at 2009-09-18 20:27 x
一緒に夏を追いかけて、いつかメキシコにでも行こうよ。
ブーゲンビリアと派手な壁の色と青空が待っているよ。
そして3日でタコスに飽きるんだよ。

あれから、自分にも同じアイスを買った私です。

今度会えるのを楽しみに待っているよー


Commented by azdrum at 2009-09-18 22:46
>むっちゃん
泣ける。ほんとにありがとう。
タコスさ、食べたい食べたいっつって、デカたちと食べに行ったことあったよね。
ともにタコスにうんざりし、早くお茶漬け食べたい!とか言いたい。
メキシコでも、クアラルンプールでも、たぶんおんなじ感じなんだろう。
そういうわたしたちでいられることが、今、ほんとうに嬉しいよ。
早く会いたいね!!


暮らし、ひとびと、食べ物、映画、この優先順位で日々を送り、その日記を書く。カテゴリは増やしません!太鼓の音には耳をすませ!                                 


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